- 借金200万円は毎月5万円返済すれば返せない借金ではない。
- 借金100~300万円で自己破産する人は破産申請者のうち27.22%と最も大きい割合を占めている。
- 借金の返済を滞納し続けるくらいなら債務整理した方が良い。
私は自己破産したことで、心を入れ替え仕事に励み、その結果、フリーランスとして独立することができました。今なら毎月5万円の返済を続けて3~5年かけてでも200万円を返済します。
しかし、それは自己破産した過去があるからこそ言える話です。当時の私にはそんな力も余裕もありませんでした。結局のところ、借金問題は「借金額」ではなく「返済能力」があるかどうかの問題です。
本記事では「借金200万円で自己破産した私が今だから思うこと」についてお話します。
借金200万円を毎月5万円ずつ返済すれば5年2ヶ月で完済可能
200万円という金額は個人で抱えるには決して少なくはない借金です。例えば、クレジットカードのリボ払い残高200万円を毎月5万円ずつ返済した場合の結果は以下の通り。
返済方式 | 定額返済(※1) |
残高スライド方式(※2) |
支払い回数 | 56回 (4年8ヵ月) |
40回 (3年3ヶ月) |
返済総額 | 2,772,906円 | 2,512,500円 |
※1イオンカードの返済シミュレーションで算出
※2楽天カードの返済シミュレーションで算出
- 定額返済:返済元金と利息手数料を足した一定額を毎月返済する返済方式。
(例)イオンカード、オリコカードなど。 - 残高スライド方式:リボ払い残高に応じて毎月の返済額が変動する返済方式。
(例)楽天カード、三井住友カードなど。
クレジットカードの返済方式によって返済期間と返済総額に差はあるものの、毎月5万円の返済を続けても利息手数料だけで50万円以上も発生します。
[jin_icon_arrowcircle]毎月5万円の返済はちょっと無理かも…
では、5万円の返済が厳しければ、月々の返済額を減らしてみるとどうなるのでしょうか。実は、リボ払い借金200万円にもなると、毎月の返済額を引き下げることができないケースがほとんどです。
月々の返済額と返済回数には上限がある
月々の返済額が低くなれば、返済期間は長期化し、最終的な返済総額も大きくなります。とはいえ、将来の返済額を心配するよりも、今月返済できないことの方が大きな問題です。
しかし、クレジットカード会社によって、リボ払い残高(借金)と月々の返済額・返済回数には上限が設けられています。
例えば、定額返済のイオンカードの場合は、完済までの支払い回数が120回以下になるように月々の返済額の最低金額が定められています。
リボ払い残高 | 月々の最低返済金額(金利15%) |
---|---|
50万円 | 9,000円~ |
100万円 | 17,000円~ |
150万円 | 25,000円~ |
200万円 | 33,000円~ |
なお、リボ払い残高200万円を月々33,000円ずつ返済した場合の返済総額は3,703,379円になります(リボ払い利用額の1.7倍)。
とはいえ、イオンカードは返済条件が比較的緩いクレジットカードです。一般的には、リボ払い残高100万円以上の場合の総支払回数は80~100回に制限されます。
そのため、月々の返済額は最低でも5万円必要と考えた方が良いでしょう。詳しくはご利用中のクレジットカードの支払い回数の上限を確認してみてください。
借金200万円を自力で返済する方法は2つ!
借金を自力で返済するためには、毎月自由に使えるお金を増やして返済に当てるしか方法はありません。
[jin_icon_search]借金200万円を返済する方法
- 収入を上げる。
- 生活コストを下げる。
月々5万円の返済が厳しいなら、収入を5万円増やす、もしくは生活コストを5万円下げることで返済を続けることができます。
①収入を上げる
本業で月収を5万円も上げるのは歩合制のお仕事でない限り無理です。とはいえ、副業を始めて月5万円の収入を得るもの簡単なことではありません。
ファイナンシャルフィールドの副業に関する実態調査(2020年)によると、副業をしている人で月の副業収入が1万円未満の割合は48.5%という結果が報告されています。
[jin_icon_search]副業収入のアンケート調査
- 月5,000円未満:31.7%
- 月5,000円~1万円:16.8%
- 月1万円~3万円:24.0%
- 月3万以上:27.5%
➪副業収入が月1万円未満の割合は48.5%!
上記の調査結果を踏まえると、副業収入で付き5万円を得るのはかなりハードルが高いと言えそうです。
むしろ、副業と思って初めたFXで大損してしまったり、フリマサイトで物販を始めてみたものの、在庫を売り切ることができずに赤字になったというケースも多いかもしれません。
②生活コストを下げる
地方に引っ越す、もしくは実家に帰ることで、月々の生活コストを一気に下げることができます。しかし、地方移住&就職で現在の収入を維持することは現実的に難しいでしょう。
生活コストは下がったものの収入も下がってしまうため、結局は返済に当てる余裕を確保することが難しくなってしまうかもしれません。
さらに、実家に戻ることで借金のことが両親に知られてしまい、余計や精神的ストレスを抱えてしまうかもしれません。
結局は「①収入を上げる」ことも「②生活コストを下げる」ことも、現実的には難しく、根本的な解決にはならないかもしれません。
ましてや、借金を抱えている精神状態でベストな選択を導くほど冷静な判断ができるとも考え難い…。
[jin_icon_arrowcircle]借金が無くなった今だから思うこと…
とはいえ、当時はそんなことできなかったし、そんな選択肢があったことすら気付けませんでした。。
借金200万円は自己破産してもおかしくない借金額

こちらのグラフは日本弁護士連合会による2017年破産事件記録調査のデータを参考に作成しています。
この調査結果から、自己破産する割合の最も多い借金額が100~300万円ということがわかります。つまり、200万円の借金は自己破産してもおかしくはない負債と言えるでしょう。
詳しくは以下をご参照ください。

※大切なことは借金額ではなく返済能力です。
とはいえ、借金問題の解決方法は自己破産だけではありません。
自己破産とは、借金問題を解決に導くための制度として設けられている「債務整理」の中の1つの手続きにすぎません。
債務整理とは?
クレジットカードのリボ払いやカードローンの返済残高を含む借金(債務)は、完済に向けて返済額を減額したり、免責(借金をゼロにする)にすることができます。
このように、借金に苦しむ人々を救済するために「債務整理」という制度が設けられています。なお、債務整理は主に以下の3つに手続きに分けられます。
▶自己破産
▶個人再生
▶任意整理
借金事情は人によってそれぞれ異なります。借入や返済状況、収入状況や家庭環境などを考慮した上で、債務者(あなた、もしくは借金のある人)にとって最適な解決策を検討します。
▶自己破産
裁判所に破産申立てをすることで、借金を全額免責(ゼロ)にすることができます。
ただし、所持する財産(不動産や車など)は差し押さえられる他、官報に個人情報が掲載され、5~10年はブラックリストに登録されるなどのデメリットを伴います。
世帯持ちでマイホームや車を所有している場合は、自己破産のデメリットが大きいかもしれません。一方で、20代独身1人暮らしの人は、自己破産によるデメリットは少ないと言えます。
▶個人再生
裁判所手続きにより、マイホームとローン返済済みの車を残したまま、借金総額を1/5~1/10に減額することができます。
世帯持ち家計主にとってはメリットが多い解決方法となるでしょう。
ただし、報に個人情報が掲載され、5~10年はブラックリストに登録されるなどのデメリットを伴います。
▶任意整理
代理人(弁護士や司法書士)が債権者(クレジットカード会社など)と直接交渉することで、返済総額のうち、金利によって生じる利息手数料分をカット(減額)して元本のみの返済にすることができます。
自己破産や個人再生と違い、裁判所を介しないため、財産差押えや官報に個人情報が掲載されるデメリットがなく、周囲にバレずに借金を減額できるメリットがあります。
ただし、任意整理後はブラックリストに登録されるため、最低5年間はクレジットカードの新規発行やローンなどの借入ができなくなります。
借金の滞納は債務整理よりヤバい!
「自己破産したら人生終わり」とか「債務整理はヤバい」というイメージを持たれている人は多いと思いますが、実際はどうなのでしょう。
個人差はあると思いますが、28歳で借金200万円で自己破産した私の場合、人生は終わるどころかステージアップしていきました。
誰にでも取り返しのつかない失敗や後悔の1つや2つはあると思います。私の場合、それが「借金」でした。
≫【朗報】20代1人暮らし独身女性は自己破産してもやり直せる!借金200万円で詰んだ体験談
とはいえ、もしあの時、弁護士さんに相談せずに借金を滞納し続けていたら、今の生活はなかっただろうと思います。
借金を抱えている人で実感を持っている人は少ないと思いますが、自己破産や債務整理よりも、借金の返済を滞納することのリスクの方がとても大きいです。
借金返済を滞納すると、どうなる?
毎月の返済を滞納し始めると、毎日のように支払い催促の電話が鳴り響き、精神的にどんどん追い詰められていきます。
しかし、滞納を続けるリスクはこれだけではありません。
[jin_icon_search]借金返済を滞納し続けると起きること
- 滞納期間が2ヶ月続くとブラックリストに登録される。
- 債権者(もしくは、債権回収会社)から訴えられて裁判に発展する。
- 裁判所命令により財産差押えが強制執行される。
➪ 自宅に執行官が来て財産の差し押さえを行う。
➪銀行口座、給与が差し押さえられる。
➪勤務先に裁判所から「差押え通知書」が送れる。
つまり、家族や勤務先に「借金を返済せずに裁判で訴えられた」ことがバレてしまいます。このような事態に発展すると、職場での信用を失い、仕事にも支障が出ることは避けられません。
このような事態に発展する前に、弁護士に相談することをおススメします。
弁護士に相談するタイミングはいつがベスト?
「自力で返済するのは無理だ」と思った時がその時です。ただし、友達や先輩、家族に相談できる人がいる場合は助けを求めてみてください。
もし、周りにそのような人がいない場合、弁護士に相談してみてください。誰かに相談することもなく、解決策を探るわけでもなく借金を放置(滞納)することだけは絶対ダメ。
当時は、これ以上状況が悪化することはないだろうと思えるほど、精神的に参っていました。。
その後、ネットで見つけた弁護士事務所の『借金減額シミュレーター』を使ったことがきっかけとなり、弁護士さんに借金の相談をすることになりました。
もしあの時、弁護士さんに相談していなければ、借金を滞納し続け、職場にもクレジットカード会社からの電話がかかってくるようになり、裁判に発展するのも時間の問題だったと思います。
もし、そうなっていれば、仕事を続けることができず、フリーランスとして独立することもなく腐っていったかもしれません。
まとめ
借金200万円は、毎月5万円の返済を続ければ3年~5年で完済することができます。
現在の「収入を少し上げる」もしくは「生活コストを少し下げる」だけでも返済できる可能性が高くなります。もし可能であれば副業にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
とはいえ、3~5年という時間は決して短くはなく、月々5万円の返済は決して小さい額でもありません。
「自己破産したら人生終わり」とか「債務整理はヤバい」というイメージを持たれている人は多いと思いますが、別にそんなことはありません。
しかし、自己破産したことで「後ろめたさ」を感じるのは事実です。できれば周囲にバレたくはない黒歴史にもあります。
※私の夫は、私が自己破産していることを知りません。
「後ろめたさ」と「感謝」の気持ちを持って今を生きていますが、自己破産したことで私生活に影響が出ることや、周囲にバレそうになることはありません。。

※自己破産すると結婚できない?それは性格の問題…。